【学生の声】
0よりは0.1(2021年1月14日掲載)

2週間前 : 2021.01.14

武田

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お茶の水女子大学 生活科学部 人間・環境科学科 1年 畑岡 美代


私は広島で生まれ育ち、平和について考える機会がたくさんありました。そして、いつ頃からか平和構築に携わりたいと考えるようになっていました。平和とはなんだろう、かつてそう考えるとまず浮かぶのは戦争でした。しかし年齢が増すにつれ、平和の対義語は決して戦争だけではないという考えに至り、そして日本も本当の意味での平和は実現することができていないと問題意識を抱くようになりました。まだ「平和とは何か」という問いの答えは見つかっていません。一人でも多くの人にとって生きやすい社会をつくること、これが平和な世界を実現するためのステップであると考えます。

実は私は人生の中で「女の子でよかった」と思ったことよりも、「男の子だったらよかったのに」と思ったことの方が圧倒的に多いです。私が女性であるが故に女性に対する固定観念に敏感なだけであって、それぞれの人が自分の性別に応じたステレオタイプによって嫌な経験をされたことがあるかもしれません。ほとんどの人は自分の性別を選んで生まれるわけではありません。それにもかかわらず、性別によって不当に扱われたり、いやな思いをしたり、人生の選択肢の幅を制限されたりする人がいるのはおかしいと思いますし、私はこのままの現状であってほしくはありません。この思いは、男女共同参画第5次基本計画に伴うユースからの提言作成メンバーに加わった理由の一つでもあります。私にできることは本当にちっぽけなことかもしれません。しかし、誰かが何かをしないと変わらないでしょう。やってみないと始まらない、変わらないのであれば、私は行動することを選択します。

ステレオタイプによる影響は他者から与えられるものだけにとどまりません。それは無意識の人々のうちに宿り、自身の可能性をも制限しうるのです。2020年12月14日に開催された「全国ダイバーシティネットワークシンポジウム」では台湾の事例が数件紹介されていました。私にも興味深いと思った台湾の事例がありますので、紹介させていただきます。「プログラミング・テクノロジー」とプログラミングの授業の名前を付けたところ、受講した女子生徒は数名だったのが、授業名を「プログラミング・デザイン」と変更しただけで受講者の過半数を女子生徒が占めるようになったというのです。これは「テクノロジーは男のもの」というアンコンシャスバイアスがあるということだけではなく、言葉遣いを変えるだけで持たれるイメージが大きく変えられるということを示しています。アンコンシャスバイアスをなくしていくのには年月を要すると思いますが、言葉遣いは意識するだけで変えていくことができます。そして、言葉には考えを変える力があるとも思います。アンコンシャスバイアスに対する言葉の有効性について考えさせられました。

「草の根運動」という言葉があります。2017年にノーベル平和賞を受賞したICANは市民の草の根運動から始まり、核兵器禁止条約締結にたどり着きました。一人ひとりの力は小さくてもそれが集合した時、大きな力になると思います。今回紹介させていただいた言葉遣いというのは、誰でも意識して変えていくことができることです。自分の可能性、そして周りの人の可能性を理不尽に制限しないためにも、自分にできることから意識を変えていきたいものです。

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全国ダイバーシティネットワーク(OPENeD)は、男女共同参画社会や多様な個性・能力が尊重されるインクルーシブな社会の実現のために、文部科学省と連携して、大学や研究機関、企業等における女性研究者の育成や研究環境・研究力の向上を目指す諸機関をつなぎ、国内外の取組動向や参考事例(グッドプラクティス)を収集・公開し、全国的な普及・展開を図ります。

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