調査報告書“The Impact of Covid-19 on Workplace Inclusion: Survey”について(2020年9月25日掲載)

1か月前 : 2020.09.25

武田

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全国ダイバーシティネットワーク事業コーディネーター/株式会社カレイディスト エグゼクティブアドバイザー 二木 桂子


コロナ禍におけるアメリカの現状を伝えるレポートと論文を紹介します。

米国ニューヨークに本部を置く非営利組織カタリストが2020年7月に発表したコロナ禍での職場インクルージョンに関する変化、調査報告書“The Impact of Covid-19 on Workplace Inclusion: Survey” Catalyst, July15, 2020では、1100名【250名(男性50%、女性49%、その他1%)のビジネスリーダー、850名(男性44%、女性56%、その他0.1%)の従業員】を対象に調査した結果、45% の女性ビジネスリーダーはオンライン会議で女性は発言しにくいと感じており、20%の女性がビデオ会議で無視されたと感じている、と指摘しています。この調査に参加している組織のリーダーは今が変革のチャンスであると捉えている一方で、雇用されている側はリーダーのコミットメントに対して悲観的であるように見えます。

図1では新型コロナウィルスの影響で、女性にとってよりインクルーシブな職場環境を実現できると思っているリーダーが75%であるのに対して、同じように思っている従業員は60%、図2では56%のビジネスリーダーはパンデミック下でジェンダー平等のための行動をさらに強化していると感じている一方で、従業員でそのように感じているのは34%のみであることが示されています。

調査対象者の45%がコロナ禍で以前よりワークライフバランスを保つことにストレスを感じていると回答していますが、特に女性リーダー層では、この値が62%と、調査対象者全体の値を大きく上回っています。

さらに、パンデミック下における家庭内での役割分担については、女性パートナーと同居している男性の36%は、パンデミックの間、家事をより多く引き受けたと主張しているのに対し、女性は13%しか男性パートナーが家事をより多く引き受けた、と答えていません。子供の家庭学習についての質問に対しては、24%の父親が家庭学習の主な責任者であると回答しているのに対し、母親の49%が主な責任者であると答え、家庭内での女性の負担が増えている傾向が見られます。

このほかにもこの調査では、コロナ禍により、職場でも家庭でもジェンダー・ダイバーシティの問題が浮き彫りになったことや、環境変化による職場への期待などが明らかにされています。ご興味のある方は、以下のリンクより詳しい調査結果をご覧ください。


今回紹介した文献のリンク;

Catalyst Research, “The Impact of Covid-19 on Workplace Inclusion: Survey”, July 15,2020

カタリストは、1962 年に米国ニューヨークで創設され、職場のインクルージョンを通じて女性のキャリア推進をグローバルに支援してきた、企業会員制の非営利組織です。800 を超える会員組織を擁し、世界規模でのリサーチに基づく示唆の提供・コンサルティング業務等を実施しています。

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