教員採用時のポジティブ・アクションの成果を見える化する!

1か月前 : 2020.05.28

OPENeD 事務局

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本学でも、以前より教員採用人事において、応募要項に「業績等が同等の評価の場合は女性を優先する」と明記し、ポジティブ・アクションを導入しています。しかし、実際の採用人事選考において、このポジティブ・アクションがどのように運用されているのか不明でした。そこで、先行する岩手大学等の「ダイバーシティ・レポート」を参考にさせていただき、選考プロセスの透明化のため、「ダイバーシティ・チェックリスト」を試行的に導入しました。
その成果として「評価が同等の場合に女性を優先した」というケースが、試行段階にもかかわらず、本年度4件ありました。

女性教員の採用促進や公平な教員採用プロセスを実現するためには、採用プロセスの見える化が必要という認識のもと、採用選考委員長が提出する選考報告書に「教員採用選考におけるダイバーシティ推進の取組チェックリスト」(以下「チェックリスト」)を追加することになりました。このチェックリストの導入にあたっては、ダイバーシティ推進委員会、教育研究評議会、全学人事委員会といった学内の重要な会議・委員会にて議論を重ねてきました。
このチェックリストは、以下の3点を目的にしています。
(1)多くの女性研究者の応募促進
(2)「無意識のバイアス」の影響の最小化
(3)教員採用選考におけるダイバーシティ推進の意識啓発と課題抽出

(1)については、チェック項目として「関係学会への積極的な広報」あるいは「女性研究者が在籍すると思われる研究ネットワークへの公募情報の積極的な広報」について「はい/いいえ」できいており、積極的な広報を促しています。
(2)「無意識のバイアス」については、男女共同参画学協会連絡会(2019)の
資料(注1)を添付し、選考委員に一読することを求めています。だれもが無意識に行ってしまう過去の経験に基づくステレオタイプ的な判断・評価について自覚し、教員採用の場面 においてもこの影響を最小限にすることが期待されます。
(3)意識啓発と課題抽出については、まず、本チェックリストを記入することでポジティブ・アクションの実施の意識化を促します。課題抽出としては、女性研究者がどの段階で、どの程度、候補者として残っているのか、選考委員に女性が入っていることで影響はあるか、等を数値として示し、課題がある場合には客観的数値として示すことを目的としています。

これにより、教員採用公募に関する学会等への積極的な情報提供や、よりポジティブ・ アクションの実施状況を把握することができました。このチェックリストの導入により、実態把握を通して、女性教員採用についての認識が採用にかかわる委員に促されることが期待されます。

チェックリストは、2019年度の試行期間を経て、必要に応じて見直しを行い、2020年度から本格実施します。

なお、試行期間中のチェックリストの提出状況等は以下の通りです。
・試行期間:2019年7月~2020年3月
・チェックリスト提出件数19件/選考報告書件数19件
すべての選考報告において、チェックリストが提出されました。
・提出されたチェックリスト19件のうち、男女の候補者で業績等の評価が同等とみとめられ、女性の候補者に高い優先順位をつけたケースが4件ありました。本学では、ポジティブ・アクションが制度化されているだけではなく、実際の教員採用選考において実施されている例があることを把握できたことは、大きな成果の一つとなりました。

(注1)無意識のバイアス -Unconscisous Bias-を知っていますか?」
リーフレット
男女共同参画学協会連絡会(2019年3月初版改訂版)

【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
  取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
  成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
  双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
  説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている

茨城大学ダイバーシティ推進室



企業対象アンケート調査報告書

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全国ダイバーシティネットワーク(OPENeD)は、男女共同参画社会や多様な個性・能力が尊重されるインクルーシブな社会の実現のために、文部科学省と連携して、大学や研究機関、企業等における女性研究者の育成や研究環境・研究力の向上を目指す諸機関をつなぎ、国内外の取組動向や参考事例(グッドプラクティス)を収集・公開し、全国的な普及・展開を図ります。

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