異分野の学びから
価値創造型女性エンジニアリーダーを育成する
「しなやかエンジニア教育プログラム」

5か月前 : 2019.10.02

西田

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奈良工業高等専門学校では2019年度より、女性エンジニアリーダーの育成を目的とした「しなやかエンジニア教育プログラム」を開始しました。

「しなやかエンジニア教育プログラム」では、異分野の学びを通じ、豊かな感性・表現力、多視点で物事を考えられるしなやかな発想力、そしてダイバーシティな環境下でリーダーシップを発揮できる能力を備え、新しい価値を持ったモノ・コトを作り出すことができる価値創造型女性エンジニアの育成を目指しています。

しなやかエンジニアとは

「しなやかエンジニア」とは、“強さ”と“柔軟性”を兼ね備えたエンジニアを指します。

プログラムが養成するエンジニアリーダー像

本プログラムでは、次の3つの能力を身につけたエンジニアを養成することを目的としています。
○ 確かな工学の知識・技術(本科および専攻科の正課教育)
○ 社会・生活と技術をつなぎ、新たな価値を創造するための感性とそれを形にする表現力(本科)
○ ダイバーシティな環境におけるリーダーシップ(専攻科)
これらを身につけることで、新しい価値を持ったモノ・コトを作り出すことができるエンジニアリーダーを育成します。

本科のカリキュラム構成

本科(5年間)では、座学である「エンジニアの感性と表現Ⅰ~Ⅳ」4科目、実習型科目である「イノベーティブワークショップ」3科目、まとめの科目である「ダイバーシティとインクルージョン」の合計8科目によって感性と表現力を身につけます。

「エンジニアの感性と表現」は、次の3つの講義カテゴリから構成されます。
① 視点を増やすための「感性」を養う講義
工学知識以外の講義や実習を通じ、学生の知識・技能の引き出しを増やし、今までと違う視点でモノ、コトづくりを考えることを目指します。「伝統文化から学ぶ感性」「生活・社会から学ぶ感性」「心理から学ぶ感性」の3つの視点から「感性」を学びます。
② 多視点をつなぐ力を養う講義
工学の知識、そして「感性」の授業から得た視点同士を繋ぎ、新しいものを創造する能力を育成します。
③ カタチとして伝える「表現力」を養う講義
機能的価値、心理的価値、そして社会的価値をカタチとして人に伝える力を身につけます。

授業形態

座学の講義は、120分×10コマのオムニバス形式で実施し、その分野に精通している大学や企業からの講師により実施します。前半の90分を講義、後半の30分を振り返りの時間として設定することで、学生相互の刺激と学びの深化をはかります。

ワークショップは、芸術家やデザイナーなど実際に活躍されている方を講師に迎え、課題解決型の演習を行います。

実施事例(2018年度試行プログラムから)

2019年度からの本格実施に先駆け、2018年度に試行プログラムを実施しました。

○ 講義「コーチング」「デザイン論」
大学や企業で実際に指導されている専門家をお招きし、講義を実施。
コーチングでは「発想をうながすコミュニケーション・スキル」をテーマにコーチングの”傾聴”や”承認”などのスキルを学びました。デザイン論では、「デザインを知れば考え方も変わる」をテーマにデザインの考え方を学びました。

○ ワークショップ「藍染め」
奈良女子大学、奈良教育大学合同で、藍染に関する座学と藍染実習、計4日のワークショップを開催。「高専/大学を訪問した外国からのお客様に渡す奈良を表現した土産物」をテーマに、藍染制作を実体験。伝統文化から感性・表現力を学ぶとともに、テーマに沿った問題解決型学習を実践しました。

○ ワークショップ「グラフィックデザイン」
「グラフィックデザインへの挑戦」をテーマに、本教育プログラムのイメージロゴを制作。右記のロゴは実際に制作されたもので、組んでいく紐の本数が多ければ多いほど強く、美しいものになる 「組紐」と多種多様な感性を出し合いながらより良いものをつくりあげる「しなやかエンジニア」のイメージを合致させてデザインされた作品です。

○ 企業で活躍する女性エンジニアロールモデル講演会
企業で活躍されている女性エンジニアをお招きし、「企業で活躍する女性エンジニアからのメッセージ」をテーマに、女性エンジニアが働く実際の職場/現場の状況や、これまでのエンジニアとしての経験やキャリアパスなどについて講演。2018年度は、株式会社ワコール、ダイキン工業株式会社、大阪ガス株式会社の女性エンジニアの方々に講演頂きました。

今後の展望

2020年度からは、専攻科でもリーダーシップの養成を目指して、「リーダーシップと意思決定」、「ビジネスデザイン」、「エンジニアと経営」の3科目を配置したしなやかエンジニア教育プログラム(アドバンストコース)を開始します。

しなやかなエンジニア教育プログラム

【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
  トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
  双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
  説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている

奈良工業高等専門学校 男女共同参画推進室

このサイトについて

全国ダイバーシティネットワーク(OPENeD)は、男女共同参画社会や多様な個性・能力が尊重されるインクルーシブな社会の実現のために、文部科学省と連携して、大学や研究機関、企業等における女性研究者の育成や研究環境・研究力の向上を目指す諸機関をつなぎ、国内外の取組動向や参考事例(グッドプラクティス)を収集・公開し、全国的な普及・展開を図ります。

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