キャンパス内保育園の充実で学内待機児童ゼロを達成

8か月前 : 2019.07.12

三浦

プロフィール写真

東京大学では、2006年(平成18年)10月に男女共同参画室が発足し、学内保育園設置の検討が開始されました。この背景には、本郷キャンパスがある東京都文京区、近隣の台東区が多くの待機児童を抱えており、認可保育所への入所が非常に困難であるという状況や、産後すぐに教育・研究への復帰を望む教員からは、年度途中でも受け入れ可能で、0歳児保育や延長保育にも対応できる学内保育園の設置に関する要望が多く出ていたということがありました。さらに、学生の場合、認可保育所への入所は、勤労者である教職員よりも困難な状況にあり、休学を延長して新年度に再申請しても保育所に入所できないといった例が多くありました。

このような状況を踏まえ、男女共同参画室と学内に置かれた保育園運営委員会が連携・協力し、2007年4月の医学部附属病院いちょう保育園設置以降、2008年に全学教職員・学生対象の大学内保育園4園(本郷けやき、白金ひまわり、駒場むくのき、柏どんぐり)を順次設置し、管理運営を行うとともに、環境整備を進めてきました。

大学内保育施設の整備にあたっては、一般の保育施設では入園優先度の低い学生を積極的に受け入れること、夜遅くまで実験・観察を行うなどの大学の研究者独自のニーズにあった保育サービスを提供することを念頭に、「東京大学教職員・学生等のための保育施設整備の基本方針」(2006年12月14日)、「東京大学が運営する保育園の基本理念及び方針」(2007年12月13日)を制定し、その下で進めてきました。全国で最も地価の高い地域に位置する東京大学において、大学が独自の財源による複数の保育施設を設置・運営し、研究者を目指す大学院学生・ポスドク・留学生等による保育園利用の優先順位を高くする、更に、世帯収入に応じた大幅な保育費用の減免措置などの東京大学の独自性を打ち出した保育施設運営は、ワークライフバランスを考慮しながら、若手研究者の育成を図るという本学の積極的な姿勢を示したものであります。

2015(平成27)年に五神真総長が示した「東京大学ビジョン2020」においては、男女共同参画やバリアフリー等の推進を通じて、構成員の多様性を拡大し、組織の活性化を図ることを目標に掲げており、2018年4月には本郷キャンパスに新たに企業主導型事業所内保育所を開園しました。
 
2019年4月現在、本学のキャンパス(本郷、白金、駒場、柏)には、本学が設置し、保育業務を保育事業者に委託している保育園が5園、文京区認可保育所が1園、東京都認証保育所が1園、企業主導型事業所内保育所が1園と、合計8つの保育園があります(図1)。

(図1)

本学が設置している学内保育園5園および企業主導型事業所内保育園では、合計221名の定員を確保することができ、その結果、2019年度当初においては、希望者全員の入園がかない、学内待機児童ゼロという状況が達成できました。

それぞれの保育園における教職員・学生の利用割合は、約半数ずつであり、年度途中の復職を希望する教職員や認可保育所に入りづらい学生の利用者からは、研究や学業を中断することなく、安心して子育てとの両立がかなったとの感謝の意見が多く、本学の教職員・学生にとっての保育施設のセーフティーネットとしての役割を果たしています。運営費用の継続的拠出や関連する事務負担等の課題はありますが、複数のキャンパスを持つ総合大学の保育施設整備として、国内での先進的なモデルを示せたと考えています。

【以上の取組の成功に向けた留意点】 ★は該当する項目
  戦略性:機関の経営戦略として位置づけている
トップのコミットメント:機関のトップが牽引している
  取組体制の整備:実施責任者を置き、明確な実施組織等を整備している
  成果目標:具体的で明確な目標等を設定している
  双方向のコミュニケーション:幹部層と構成員のコミュニケーションを促進している
  説明責任と透明性:外部評価委員会等を設置し、外部の意見を取り入れる体制としている

東京大学本部ダイバーシティ推進課

このサイトについて

全国ダイバーシティネットワーク(OPENeD)は、男女共同参画社会や多様な個性・能力が尊重されるインクルーシブな社会の実現のために、文部科学省と連携して、大学や研究機関、企業等における女性研究者の育成や研究環境・研究力の向上を目指す諸機関をつなぎ、国内外の取組動向や参考事例(グッドプラクティス)を収集・公開し、全国的な普及・展開を図ります。

全国ダイバーシティネットワーク